寅治郎トライのブログ

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「ジャズと爆弾」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

今日も読書感想文、キメちゃうよ。ラリッラリ~♪

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「ジャズと爆弾」

これは中上健次氏と村上龍氏の対談本です。それぞれの短編小説も掲載されています。村上龍氏24歳、中上健次氏が30歳の頃の対話です。

村上龍氏といえば、当てもなく世の中に積極的な価値も見いだせず、ただ音楽を聞きアルコールやドラ×グな日々を送る、そんな自堕落な若者の日常を描いた「限りなく透明に近いブルー」が有名です。

一方、血や土地の怨念を地方性で封じ込めた視点でドロリンドロリンした物語が得意とされる中上健次氏ですが、中上氏の「灰色のコカコーラ」は「限りなく透明に近いブルー」同様に、若者のフーテン日常を描いており、ご自身フーテン時代もあったそうで、村上氏と繋がるモノがあり、気が合う下地みたいなモンが合ったんでしょうねぇ。

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

路上のジャズ (中公文庫 な)

路上のジャズ (中公文庫 な)

(「灰色のコカコーラ」在中)

本書には結構な感じで、アンモラルな話題が出て来ます。モノかっぱらっただの、逮捕されただの、どのドラ×グが効くだの、セフレが8人いるだの、プリンが好きだっただの・・・フィクションの中での話ではなく、体験談として語っております。1970年代初頭の若者の倫理観はどうなっていたんだっ!これが「ロックとファックの世代」というやつなのか?

意外なのは、そのようなヤンチャしてるお二人でも、高校生くらいでけっこう難解と思われる本を読んでいるということでした。対談中、マルキド・サド、ジャン・ジュネ、J・C・ユイスマン、ピエール・ガスカール、ルイ・フェルディナン・セリーヌジョルジュ・バタイユピエール・クロソウスキー埴谷雄高などの名前がポンポン上がってきます。お二人の十代の頃は、文学の権威みたいなモノが今よりあった時代だろうとは想像はしますが、実際これだけ読めたというのは驚きの知性ですね。作家になる方の活字体験って若くして凄いんだなと思いました。

そして若いからかもしんないですけど、言ってることがまた尖ってますなぁ。批評家はL×Dをやれ、上の世代を倒したい、上の世代の作家を越えるんじゃないすでに越えている、文芸誌なんざ読まない、文芸誌呼んでる作家志望は100%ダメなやつだ、小説書くのは恥ずかしいこそこそやれ、サブカルチャー・トータルカルチャーの違いなどどうでもいい、etc。

私的には「エスタブリッシュメントの回路を断たなくてはならない。断った先でガス缶をくわえることになるかもしれない。」という切実な認識を若くして持っていたのが印象に残りました。

〈了〉