寅治郎トライのブログ

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「誠心誠意、嘘をつく」読書感想文

どうも、寅治郎トライです。

今日も読書感想文、嘘ついちゃうよ!

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「誠心誠意、嘘をつく」

現在の自由民主党の起源は、かつての保守政党である、自由党日本民主党が1955年に合併してできたものです。それより前に左派勢力が合併して、より強力な左派勢力になったことに危機感を感じていた保守勢力は、自分達もまとまった方がいいと思うようになったけど、意見の違いやプライドなどで、なかなか上手く纏まれないでいたようです。そんな保守勢力を合併するに、中心的にあれこれ動いたのが、三木武吉という政治家だと言われております。本書はそんな、保守合同辺りのワチャワチャを中心に、三木武吉の生涯を纏めた内容となっております。

三木氏は演説が得意で、ヤジが得意、弁が立つ人物だったようで、両勢力に時に厳しく時に甘い言葉で語りかけ、合併に導いたそうです。その様子を形容したのがタイトルの「誠心誠意、嘘をつく」。保守合同という大義のため、違う勢力同士に交渉するに、誠意を見せつつ嘘をついてでも、折衝に当たったということらしい。

政治の話題の一つに良くあるのが「政治家なのか政局屋なのか問題」ってのがありますよね。結局それは、表裏一体というか、どんなに世の中に役立つアイデアを閃いても、政局で勝たなくては政治はできない。ずっと野党暮らしはイヤだ。しかし政局に勝っても内容がスカスカじゃ政治とは呼べない。みてーな話になると思います。

本がフォーカスしているのは三木氏の「政局屋」の部分です。本人自身、野党精神に溢れる方のようで、常に偉い人に何か仕掛けてやろうと動いていました。現代だと「政局屋」というと悪い言葉で使われますけど、結局三木氏が仕掛けた「政局」で保守合同が成り、1993年まで長い間大衆に支持されたワケですし、「政治家なのか政局屋なのか問題」を思えば「政局」は政治に必要な要素ではあるので、我々は生温かい目で見てあげてもいいのかなぁ、と思いました。

三木氏が国会議員になったのは戦前で、
藩閥政治を打倒してより民衆的な政党政治を根付かせるためだったそうです。戦後は吉田的な貴族的政治を打倒して保守合同に奔走します。もっと前を言えば、江戸時代から明治への移行時も、徳川という既得権は壊され民に分配されました。このような流れを見ると、政治史というものは権力がより大衆へ大衆へと移動していくモノであると言えます。そして純粋な政策通とは違うけど、権力を移行させる瞬間には、三木武吉のような政局屋の存在がキラリと光るんだなーと勉強になりました。

誠心誠意、嘘をつく 自民党を生んだ男・三木武吉

誠心誠意、嘘をつく 自民党を生んだ男・三木武吉

〈了〉