寅治郎トライのラジオブログ

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「政争家・三木武夫」読書感想文

どうも、寅治郎トライです。

今日も読書感想文は、一度勝負する。

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【政争家・三木武夫
これは2016年頃の田中角栄ブームがあった際、ブームのカウンターとして出された本のようです。三角大福中と呼ばれた時代の、その一角を担った政治家、三木武夫氏の政治行動を追った内容になります。

一般的に三木武夫氏はバルカン政治家と呼ばれたりします。かつて、複数の小国ばかりで大国が成立しにくいバルカン半島では、小国同士が敵・味方を短いスパンで替えて、権謀術数を仕掛け権力を得ようとする政治、政治家がさかんだったことから、そのような政治手法を取る者を政界では「バルカン政治家」と呼んで来ました。三木氏の少数派閥を率いて、時の政権に刃向かったりする姿勢が「バルカン政治家」と比喩されたそうです。

また三木氏には「クリーン三木」というあだ名がありました。カネをバラ撒いて多数派を作り、その多数派の長として政治をやる「ダーティーな」田中角栄的手法に対して、カネをバラ撒いたりしない三木は「クリーンだ」という言い方です。しかしまあ三木氏の弟子に当たる海部俊樹氏が「三木先生もカネは配ってた。」と著書で明かしています。

この本ですね。また「三木氏の奥さんからカネが出ていたので、三木氏自身がカネ集めに奔走する必要がなかった、だからクリーンでいられた説」なんてのも聞いたことがあります。政治にはカネが必要なんでしょうなぁ。

本書では、上記のようなカラクリがありながら「クリーン」という印象を絶えず上手く国民に植え付けつつそれを利用して権力に近付く様や、「右が左かわからぬような立場を取って、左右の勢力を上手に使って最終的には自分を持ち上げることに利用するスタイル」が描写されています。

本のタイトルの通り、三木氏の見るべきは「政争の人」であることだと思います。やはり少数派閥がそれなりの存在感で生き残って、やがて総理になるには、政争に上手く勝たなくてならない。ここ数年やたら新党が出来上がっては、結局権力にたどり着けないで終わってしまうのを見ると、政争力が不足しているのかなぁと、思ってしまうのです。

戦前、前後と少数政党、少数派閥ながらも時の為政者と対立しつつ、生き残り、やがて天下を取る姿にはある種の美学すら感じます。翻って人生、誰しもが恵まれた環境で物事やれるワケではないのでございますから、三木武夫氏の政争力に着目した本書にちょっとした勇気をもらえるかも知れません。もちろん政争だけではあきませんけどね。

【了】


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