寅治郎トライのラジオブログ

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村上龍「限りなく透明に近いブルー」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

ラリパッパ読書感想文です。
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限りなく透明に近いブルー
こちらの作品は、作家・村上龍さんによるデビュー作の小説です。1976年の芥川賞を受章した作品としても有名です。小説では、60年代末~70年代初頭の若者がドラッグ、セックス、ロックンロール、アルコールを自堕落的に享受する様子を描いたため、その辺のスキャンダラス性が話題を呼んで、文壇のみならず世間を巻き込んで大騒ぎになったそうです。測聞するに、世間ではアンモラルな若者像が話題にはなったけど、文壇では視覚的イメージの文章化や詩的表現を評価した、というのが騒動の内訳らしいです。

【若者の反抗と資本主義の進捗】
世の中を眺めて見るに、大人よりも若者の方が社会性や権威に反発する態度を取りがちだなぁと思います。なぜなら、若者は社会性や権威に融和せずとも生きていける瞬間が多いから。

若者であろうと何だろうと、もし生活する上での基礎インフラを自前の労力で得るとなると、やはり社会性や権威との融和が必要になってくる。若者は、親か家からか色んな意味での庇護を得ることで、社会性や権威と真に融和をせずともいられる。それは世の中に反発のスタンスを取る素地になり安い。じゃあなんで、親や家は若者を庇護を与えることができるのか?それは世の中が大昔よりは資本主義化されきていて、金を得やすい社会になったから。金は使いようによっては個人の時間を最大化できるので、もし親が子供に金を与えれば、子供は社会や権威にコミットしない状態を作ることもできる。

みたいな状況が高度経済成長を経た60年代後半から70年代初頭にかけて出来上がってきて、そんな時代に出てきたのが『限りなく透明に近いブルー』なのかな、などと思いました。本当に貧しく社会性や権威との融合以外許されない状況下ではなくなった時代の、初期若者像が描かれていると考察しました。

(限りなく透明に近いブルー実写)
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村上龍映画小説集】
限りなく透明に近いブルー』とほぼ似た時代設定で、同じく若者の自堕落なドラッグ、セックス、アルコールなどを盛り込んだ村上龍さんの作品に『村上龍映画小説集』という作品があります。『村上龍映画小説集』は『限りなく透明に近いブルー』と似た設定の作品でありながら文体が違ったりするので、自堕落世界観はそのまま、違うテイストでよりボリューミーに読めたりします。なので『限りなく透明に近いブルー』がイケる人は『村上龍映画小説集』を読んでみることをオススメします。作品の理解が深まると思います。

【了】


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