寅治郎トライのブログ

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「バタス~刑務所の掟~」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

刑務所内で読書感想文は売れますか?

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「バタス~刑務所の掟~」
この本は、フィリピンの刑務所に収監されてプリズン・ギャングになった、大沢努氏という日本人の半生を追ったノンフィクション本となっております。

フィリピンにある、囚人に適度な自由を許す型の刑務所が舞台になっております。面会人からの差し入れも自由度が高く、酒、食材、カネ、時には覚醒剤すらも許されます。監視員にカネを渡せばある程度の融通が効いたりするのです。また差し入れは自分で消費してもいいのですが、刑務所内では商材としての魅力が成立するため、売ったり買ったりの商行為も可能です。

制限付きだがちょっとした行動の自由、物資を扱う自由、監視員も買収できる、そのような環境下では刑務所であっても、自然と囚人同士の派閥ができ、グループ抗争にまで発展し、終いには暴力沙汰まで起こり、死人が出ることもあります。(てか、罪を反省しろよッ!)

ここまでくると規模は小さくてもほとんどシャバとやってることが似てるわけだから、不思議な感じがしますね。いや『人間である以上、派閥抗争やら商行為こそが当たり前の営みなだけで、それらを受刑者は刑務所内でやるし、無罪人はシャバでやるだけ』って認識が正しいのかもしれません。

フィリピンで罪を犯し、刑務所に収監された大沢努氏は、まず自らの安全保障のため刑務所内の派閥に属します。そこから持ち前の知恵とアイデアと商魂でカネを稼ぐことで派閥に貢献し、やがて派閥の長になっていきます。フィリピンでは外国人である日本人がムショ派閥の長(プリズン・ギャング)になるのは、異例中の異例で史上初だそうです。その辺りに至るワチャワチャがこの本の骨子です。また本では、塀の中でのヤンチャ癖の絶えない方々のバイオレンスエピソードもふんだんに描写されています。

頁を読み進めるにつれて、私は奇妙にも教育問題について思いを馳せました。教育とは本来、ある種のサバイバル能力の伝授であるということを昨今の貴兄&貴女はお忘れではないだろうか?人間がひとたび刑務所のような劣悪で不潔な場所に放り込まれたとしても、何とか知恵とアイデアと労力と胆力で乗り切る・這い上がる、そういう人格を形成するのが真に教育なのではないだろうかと。過剰な条件付きで、過度に清潔な場所でしか機能しない知恵の伝授なぞ、本来の教育の精神に悖る側面を否めない。もっと泥の匂いのする教養とは何かを追及したい、と思ったのでありました。

バタス――刑務所の掟

バタス――刑務所の掟

【了】

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