寅治郎トライのラジオブログ

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「帯をギュッとね!」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

倒れろぉ!橘ァッ!
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帯をギュっとね!
この作品は河合克敏氏作による漫画です。舞台・設定は静岡の高校の柔道部・柔道部員達で、自分等の代で高校の柔道部を発足させ、知恵とアイデアを出し合い、時に仲間同士反目しながらも、切磋琢磨し成長して、やがて全国大会で優勝するまでの軌跡を描いた、爽やか痛快なスポーツ性溢れた内容になっております。『帯ギュッ』と略されたりします。基本はスポーツ漫画ですから、シリアスな競技の描写、競技中の心理描写などが見せ場になっておりますが、時に登場人物達の高校生活などを描いたり、ギャグシーンがあったりもしますので、ちょっとした青春感なども楽しむことができます。サンダー・ファイアー・ウルトラ・ミラクル的なSF技&SF設定とかもなく、現実の柔道であり得る範囲でのリアリズムが心地良い作品でもあります。ギャグはプロレス設定のモノが多く、個人的にプロレス好きの私にはツボるポイントが多かったです。

帯ギュッと私】
私が『帯ギュッ』に出会ったのは柔道部在籍の中学生の頃です。中学生の頃私は部の中で一番重く、体重が70キロだったので、団体戦では大将でした(当時の中学生の団体戦は体重順で、チームで一番重い者が必ず大将をつとめた)。しかし、他校では団体戦で70キロで大将なんて人はほとんどいなくて、他校の大将はみな90キロ100キロなんてのが当たり前で、力士型、ヌリカベ型、ビッグ・バン・ベイダー型の選手との対戦が多かったのです。やる気のない学校の大将には勝てたのですが、地域の強豪校の大勝には中々勝てず日々もがいていました。そんな時よく読んで励まされ、勇気を貰っていたのが『帯ギュッ』だったのです。『帯ギュッ』の主人公側の仲間はほとんどが軽中量級の選手で、漫画の中では「軽中量級の自分達が全国区の重量級の選手にどう挑むか」が一つのテーマにもなっていたので、90・100キロ勢と試合しなければならない私は、自然と感情移入していたんだと思います。

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帯ギュッとPDF】
私は大人になったある時期からドキュメントスキャナーを購入し、家に溜まった本や雑誌をPDF化するようになりました。本をPDFにするとは、本自体にハサミを入れ、電子情報にした後に捨てることを意味します。そしてその時既に柔道から離れていて『帯ギュッ』からも遠ざかっていたので『帯ギュッ』もPDF化の対象でした。

ですが私は他の本や雑誌では迷いなくできたのに、いざ『帯ギュッ』にハサミを入れる段になると、どうしても気が進まないモノを感じ何度もPDF化を躊躇する、なんてことを繰り返しておりました。思春期に読み散らかしたモノなので漫画本に汚れやシミがあり、それらを目にすると、当時の思い出やら生々しいしさやらが思い出されて「ハサミを入れる→捨てる」の行為に踏ん切りがつかなかったのです。しかしまあ、センチメンタリズムにだけかまけている分けにもいかない大人の事情もあり、ある時決断し断行しました。

結果『帯ギュッ』がPDF化されPC内に常に入っている状態になると、不思議とそれまで大人になったから遠ざかっていたはずなのに、PCを開けた何かの拍子についつい『帯ギュッ』を見てしまうような循環が生まれたのです。PC画面は漫画本より大きい状態で表示されますから、作画が大きく見れて、漫画本で見るとはまた別の味わいがあることも発見しました。活字だけの文章本は、字が大きく表示されても改まった感慨はありません。もちろん過去に読んだ記憶も前提になっていますが、久しく離れた漫画が、PDFに生まれ変わることによって、新たな訴求力で自分に迫ってくるのは新鮮な感覚です。青春時代のみならず、時を越えても輝きを放つ『帯ギュッ』は、自分にとってより大切な作品になったのでした。
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【了】


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