寅治郎トライのラジオブログ

   ~ All My Writing Is A Gas♪ Gas♪ Gas♪ ~

「90年代、ジーンズは変態の遊びになった!」

どうも寅治郎トライです。

ジーンズレポのためのジーンズネタが無くなりました。ほんでもってジーンズレポはシーズン1を終了します。一応の節目として、90年代のジーンズシーンを文章で語っちゃおうと思います。

(ステュディオ・ダ・ルチザン SD-101 旧ステッチ)

【若者と時代】
90年代に古着ブーム・ジーンズブームというのがありました。多くの若者が古着の持つ、多少くたびれた『味』に着目しカッコいいと思うようになったのです。『お小遣いが少ないから新品より安い古着を買って我慢』という感覚ではありません。若いを感性を持っていて本来、古臭いモノや昔の習慣を蛇蝎の如く嫌う、感性が未来形であるハズの若者自身がカッコ良さのために主体的に古着を選んでいったのです。少数のマニアではなく、若者の多くがこぞって古着を買い漁る時代でしたね。一部の古着、当時すでに生産されなくなった過去のジーンズなどには、見た目がボロボロでもとんでもない値段がつくなんてことも当たり前の光景でした。

【ダメージジーンズ誕生】
そんな古めかしいモノに着眼する時代のフェチズムは『ダメージ加工ジーンズ』なんてモノまで生みだしました。『ダメージ加工ジーンズ』とは『人工的に古めかしく見える加工を施した新品ジーンズ』です。一聴すると、矛盾した言葉の羅列に聞こえますね。若者はわざわざアルバイトをして貯めたお金で、見た目が古めかしい『新品』を買って満足気になっていた、ということですね。

【レプリカジーンズ】
また、過去のヴィンテージジーンズを真似たレプリカジーンズなるモノも登場します。新品を買って、自分の体型に沿った『味』をジーンズに作り上げるのを目的化したジーンズです。『ダメージ加工ジーンズ』のようなレディメイドなダメージを嫌い、自らが穿くことによってオーダーメイドのダメージを目指したのです。若者はアルバイトして貯めたお金で新品のレプリカジーンズを買いますが、そのジーンズの新品としての風情に不満があり『早く古くなれ!』『早くくたびれろ!』『速くだ!』と願っていたといことになります。

(Levi's 501 レギュラー)




(LEVI'S 501 レプリカ バレンシア工場)

【変態現る】
とまあ90年代のムーブメントを見るに、私は『文化的な価値転倒』を感じたりしています。

  • 若者が古びた風情のモノに美学を感じたり、
  • 古いモノにとんでもない値段が付いたり、
  • ワザワザ古く見せる技術まで開発して古い加工を『敢えて』施した新品が流行ったり、
  • 自分流の古めかしさを数年かけてハンドメイドするのが目的になったりする、

これらは全て、それ以前の80年代カルチャーや高度経済成長期の価値観からすると、ちょっと異質な感じに思えたりもします。ちなみに90年代の古着趣味はある意味のボロを愛好する意味を多分に含んでいるので、俗に言うレトロ趣味ともちょっと違うようにも思えます。

総括すると90年代、古着やジーンズは『市場』と『若者文化』と『カッコ良さ』と『伊達心』の名の元に、従来の価値観から大幅に変化&捻転を起こしたと思うのです。それが90年代に起こった古着・ジーンズブームの私なりの見立てです。(古着カッコイイの文化は90年代以前から極地的にはあったろうけど全国的な広がりなって定着したのが90年代の意)。

もっと言うと『古いモノをカッコよさとして若者が肯定する』という矛盾したような内容が、正当な価値観として成立するという『変態性』が発現した時代なのです。そして『変態』とは『多様性』。『多様性』とは『文明の豊かさ』。つまり文明の豊かさの果てに、

90年代、ジーンズは変態の遊びになった!

と私はふと思ったりするのです。

(ラングラー 11MWB 1952)


(ラングラー 11MWZ 1957)
【了】



↓ こちらもどうぞ ↓
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com
www.tradgellow.com