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ランニングを決意して実行しましたが、もちろんすぐに挫折しました。今にして思えば、若かったこともあり、意志や根性がちょっと足りなかったんだなぁと思います。
ランニングをおざなりにしてから数年、ぜん息と向き合うことも忘れていたら、今度はぜん息とは別に、アイデンティティー・クライシスのようなものを抱えるようになっていました。要するに「オレは何なんだ?」「生きていくとは何なんだ?」「どうして今こんなに辛いんだ?」みたいなことを四六時中思い耽るような状態になってしまったのです。もちろんこの時期もぜん息体質のままで、ぜん息は発症していました。
そして気が付くとこのアイデンティティー・クライシスが自分の中で過剰になり、ついには社会とのネットワークを断ち、家に閉じこもり本を読み漁る生活に突入してしまっていました。読書の他にもう一つ、この時期に興味を持ったものに深夜ラジオがあります。お笑い芸人さんがよくやっている深夜ラジオです。
「アイデンティティー・クライシスのくせしてお笑いが好きなのかよ?」と笑う方もいるかも知れませんが、ちゃんと理解できる方であれば、深夜ラジオという言語空間には闇や毒が飛び交うのを感じることができると思います。アイデンティティー・クライシス思考と闇や毒とは親和性が強く、ついついラジオに耳を傾けてしまうのでした。もちろん芸人さん達は闇や毒を正面から論じるわけでは無く、基本笑い飛ばしますよね。そのような闇や毒が笑いになっていく工程を聞いていると、瞬間的にちょっとだけ心が救済されたり、ちょっとだけ心が晴れていったんだと今では分析しています。そしてドンドン深夜ラジオにのめり込んでいきました。アイデンティティー・クライシスのような心の問題に対して、客観視するとか、心の構え方などではなく、笑いで対応できることもあるんだと知りました。
アイデンティティー・クライシスをラジオと読書で小さく癒す日々を重ねて行くと、ある時から少しずつ「アイデンティティー・クライシスのままではいけない。なんとかしなければならない。」と思うようになり、ちょとずつですが「あれをしなきゃ」「これはやらなくては」という前向きな思考が溢れでるようになってきて、その中の一つに「ぜん息の克服」が浮かび上がりました。
そこで思いついたのが、かつてぜん息対策で挫折したランニングです。思い付いてすぐに家の周りをランニングするようになりました。ランニングは有酸素運動的に30分以上走り続ける内容のものです。ランニングの前に軽く準備運動とウォーキングで計60分くらい外で動くメニューだったので、その間も録音した深夜ラジオを聞くようにしました。
ラジオをお供にしたお陰かはわかりませんが、今度はランニングをちゃんと継続することができて、一年後、なんとぜん息が発症しなくなる状態にまで持っていくことに成功。風邪をひくと、多少気管や肺がぜん息チックにピリつく状態にはなりますが、寝込んで回復に数日間を要するようなぜん息はかからなくなったのです。私の場合、有酸素運動がぜん息対策に効果があったとういことになります。
高校卒業後、図書館でぜん息関係の本を読み漁ってから数年の時を経て、紆余曲折ありながら一応私の中では「ぜん息を克服」し、ぜん息との関係は一段落しました。しかし医学的に「多くのぜん息には完治は無く、ぜん息気質が残りながらも、ぜん息をコントロールしていくしかないんだ。」という見解が支配的です。私とて「コントロール」できてるだけで「治った」ワケではないのかも知れません。「完治がない」とは何とも悲しいものですが、人は皆、ぜん息に限らず、何かしらの影を抱えて生きてゆくもの。『生きてゆくには何かを受け入れなければならないこともある。』そんなことを私はぜん息を通して学んだのかも知れません。ランニングは数年来継続していて、ぜん息は数年間、本当に発症していません。
【あとがき】
"私なりの"ではございますが、ぜん息の克服と、深夜ラジオ体験をここに書きました。ぜん息と深夜ラジオのリンクしているようでしてない内容ですが、ぜん息に苦しんでおられる方やラジオ好きにとっての、ちょっとした読み物になればいいなと思い、誰でも見れるWEBに記しました。
- 作者:山口 泰
- 発売日: 2009/02/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
【了】
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