どうも寅治郎トライです。
読書感想文の内在的論理、掴んじゃうよ。
【私のマルクス】
この本は、作家佐藤優さんの高校時代、大学時代、大学院時代のあれこれが自伝的に書かれている本です。当時の影響を受けた思想、哲学、神学など興味の変遷を紹介しつつ、様々な先生方との交流などが魅力的に描かれています。まあまず読んで思うのは、とんでもない早熟な脳ミソ!ということです。ご出身の埼玉の浦和高校は頭の良さで有名ですが、にしても高校生にして哲学書や思想書など読んだり社会運動やったり、若くしてなかなか凄い脳ミソ持って世の中見てたなんてすげぇと思いました。それでいて「盲目的な偏差値追及型の同級生とはソリが合わなかった」と振り返ってますから、この斜めの知性、むちゃカッコいいすね。ご自分の原点と仰る東欧旅行中のエピソードも高校一年生にしては、立ち振舞いがいちいち聡明過ぎて、キュン死レベルのエピソードがいっぱいです。
【先生】
佐藤さんの早熟っぷりも素晴らしいですが、佐藤さんが関わった先生方との交流もまた、麗しゅう読み所となっております。そもそも学校や先生ってのは知的な存在であるわけですから、学生自身が知性を磨いてぶつかっていけば、学校や先生から一歩踏み込んだ宝物のような視点や知恵を授けて貰えるんだなぁ、と今更ながら思いました。それはある意味での「共鳴」で、師弟の「共鳴」こそ学舎(まなびや)の意義で、真の姿なんですねぇ。学生自ら鳴らなければ、先生だって鳴らない。"大"学などと言ってはいるが名ばかりで、私個人の学生時代を思い返せば、上意下達の表層の知識伝達ばかりで、佐藤さんに比べたら、知的にとんでもなくしょっぱいダサ学生だったんだなと、反省しきりです。
【神学部】
また大学時代・大学院時代の佐藤優さんは、神学という一般人から見ると、多分に形而上学的に見える学問に取り組んでこられて、その様子が本に記されています。「××部ならば就職に有利だ」「潰しが効く」だ、などの思想は取らず、内なる知的フェチズムと知的問題意識に従って神学にはげむ姿や、暴力の伴う学生運動の荒い現場もくぐり抜けた気概、胆力などの描写は、この本の白眉たる箇所だと思います。そりゃこんだけ知に誠実ならゴルバチョフ生きてるの見抜くわ!と納得しました。
【わんばんこ?】
ニッポン放送「ザ・フォーカス」2019年12月12日の放送で、番宣に来た笑福亭鶴光氏とのやりとりで、佐藤さんが学生時代「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン」を聞いていたというトークをされていました。学生時代から難しい本を読んでいて、オールナイトニッポンのようなポップカルチャーはお好きでは無いんだろうなぁ、と勝手に想像していました所、なんとまさかの佐藤さんの口から「わんばんこ!」発言も飛び出し、ラジオ好きの私には歓喜の放送になりました。
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- 作者:佐藤 優
- 発売日: 2010/11/10
- メディア: 文庫
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