寅治郎トライのラジオブログ

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手嶋龍一・佐藤優「動乱のインテリジェンス」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

玉虫色の読書感想文でぇす。

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【動乱のインテリジェンス】
この本は、作家・佐藤優さんと外交ジャーナリストの手嶋龍一さんによる対談本です。過去の事例を引きつつ、2011年~2012年に起こった出来事を中心に、インテリジェンス視点であれやこれや語っております。時は民主党政権

【棚上げに至る文章力】
外交で双方が譲れない案件があったりすると、しばし『棚上げ』で局面を凌ぐなんてことがあります。領土問題かなんかではよく有ることですよね。なんか一般国民からすると『なんであちらに譲らなきゃならんのだ』とか『スッキリしねーなー』とか思っちゃいがちですよね。しかしその一方、実は『棚上げ』こそ外交の知恵という考え方もあります。そして『棚上げ 』を実現させ得る、両国が『棚上げ』を自国に説明する際の根拠になる外交文書、その作成能力がその国の外交力の一つだと、お二人は指摘しています。『棚上げ』の外交交渉では、A国の主張、A国の議会、B国の主張、B国の議会、などそれぞれの立場を害さず、双方の面子を保ちつつ、一旦『棚上げ』と解釈できる玉虫色の内容の文章が機能するのだそうです。そんなの子供騙しのようなやり口に見えますが、厳しくも苛烈な国際社会、完全な勝利は難しく、他の重要案件もあるので戦争するよりは『棚上げ』を選んだ方が、平和的だし労力が浮く、とかなんでしょうねぇ。とは言いつつも、どんな意匠を凝らしたと言っても、文章で均衡が取れた『棚上げ』なので、いつまでもそんな状態ではなく、それで対応できない時代もいずれ来る、とも指摘されています。

【文章力の後ろ楯】
そして、民主党時代は、中国の漁船が海上保安庁の船にブチ当たったり、韓国の李明博大統領が竹島上陸したり、ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土上陸がありました。民主党は『日米同盟から中国寄りになるかも知れない』と匂わせていたり、政権がコロコロ変わったりしていたため『日本の国内の指導力や軍事プレゼンスが低下している』と韓国・中国・ロシアが判断したのではないかと言われています。自民党時代の均衡点とは違った、民主党時代に合わせた均衡点を探していたのでしょうか。軍事力や指導力の後ろ盾あってこそ、外交文章も均衡点の根拠になるのだなぁと思いました。

【死の舞台裏のインテリジェンス攻防】
その他、本で紹介された印象的なエピソードに、中国でアルコールの過剰摂取で亡くなった英国人ビジネスマンの話があります。一見事故のようにも見えるのですが・・・キャーーーッ!時に、外交官関係者の方、大使館関係者の方の死亡事故や失踪や退職には、インテリジェンス的なグロ攻防が隠れていたりするのだと、本は教えてくれます。

動乱のインテリジェンス (新潮新書)

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【了】


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