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西村賢太「苦役列車」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

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苦役列車
こちらは作家・西村賢太さんによる小説です。2011年の芥川賞を受賞した作品としても有名で、記憶が曖昧で申し訳ないですが確か当時「風俗で3Pする直前に芥川賞受賞の知らせが来た」なんて記事が東スポに載っていたような覚えがあります(違ってたらメンゴ!)。とまあそんな性欲エピソードを世に出すのも厭わない気質をお持ちの西村賢太さんの作風は、私小説と言われております。私小説の路線の人だから風俗性欲エピソードもOKなのかな?

【人間の醜悪を描く】
やはり世の中は完璧ではないので、人は自分では差配できない生い立ちによって辛い思いもするし、人生がよろしくない方向へ決定付けられたりしますが『苦役列車』はそのような状況下で苦しむ人物を主人公に置き、ただただ主人公の怠惰や嫉妬、偏見などの醜悪な側面を描いております。苦境から立ち上がるべく奮闘するような高邁な精神を軸にした物語ではないので、読後には人間の元来持つしょうもなさを再確認できます。私小説には視野狭窄の言われもあったりするそうですが、トーンとクオリティによっては、より人間の本質にまで肉薄できる手法なのかもしれません。『苦役列車』は、私小説という形を取りながら人間内部のクズ性に普遍性を与えている、という読みもできるかと思います。

【深夜ラジオ】
また非常に個人的な感想なのですが、お笑いの深夜ラジオのエロ・グロ・ナンセンス・斜め見がイケる人は『苦役列車』の持つアート性に親和性があるように思いました。深夜ラジオのネタにあるような、自分よりもおいしい思いをしてそうな層を敵視し、攻撃的に口撃するような感覚と『苦役列車』に感じるエネルギーに類似性を感じました。密かに他者への恨み辛み妬みを腹に抱えて生きる人にはきっと届く作品です。あと深夜ラジオのフリートーク私小説ってほぼ似てるなと思いました。フリートーク私小説も自分の周りで起きた事を基礎にトークにしたり、小説にしたりするわけですから、話者のニッチな視点を楽しめる深夜ラジオ好きは私小説がお好きかも。
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【時を駆ける作品】
西村賢太さんには自身が貧困から抜け出せずにいる境遇の中、大正時代の作家・藤澤清造氏に熱烈に傾倒したというエピソードがあります。藤澤清造氏の没後弟子を自称し全集発売に動いたとか、藤澤清造氏のお墓の隣に自分のお墓を立てたりしたらしいです。自分の不遇時代に己の価値観を貫ぬかれて魂持っていかれたわけですから、並々ならぬ思い入れのようですね。文学が人へ与える影響力、いや魔力を感じずにはいられません。そして改めて、思いを『作品』という形にして置けば、時代を超えて誰かの心に届くのだなぁと思わされました。『作品』は時代を駆けるんです!

苦役列車 (新潮文庫)

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【了】


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