寅治郎トライのブログ

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村田沙耶香「コンビニ人間」読書感想文

どうも寅治郎トライてす。

私はコソソメスープを好みます。

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コンビニ人間
こちらは作家・村田沙耶香さんの著作になります。この作品で芥川賞を受賞したので世間でも広く知られている作品かと思われます。『コンビニ店員であることに自我と社会性を覚えた主人公に対して、周辺の人々が過干渉する様子を描き、アイデンティティのあり方や自由のあり方、マジョリティ思考の胡散臭さに問題意識を忍ばせた作品である』と読ませていただきました。

【自由って一体何だい?】
歴史を見ると、近代辺りから(本当はもっと前からかもしれないけど)人間の個人の自由をなるたけ広げようと、より意識的に社会や政治やテクノロジーは動いてきたと言えると思います。不自由な社会や状態を糾弾するアート作品も、昔から世の中にはたくさんあります。つまりは人間は、本来的に自由を求める傾向があるんだと思います。ですが一方で世の中には、自由をやるとケチがつき、陰口叩かれるなんてことがあります。誰かの嫌がらせになってもいない場合に置いてでもです。『自由はやりたいが、他人からの不当な干渉に心を痛める』人々はたくさんいらっしゃるでしょう。『あんたの自由は認めるから、あんたは他人の自由を尊敬しろ。他人の自由を批判するならそれ相当の手続きと態度でやるべし』的な『自由をやる上でのマナー』が未だ確立されていないのが、文明が発展したと言われる21世紀に於いての自由のリアルなのかもしれません。

【コンビニを巡る毀誉褒貶】
更に歴史を見ると、資本主義はあらゆる物・事との距離感やスピードを効率化し、様々な商品とサービスを市場に提供するのを是として来ました。そしてそういう合理の元に結実したのが、現代のコンビニ文化だと思います。以前何かの災害時に、コンビニがライフラインとして脚光を浴びるなんてことがありました。災害時などにはやはり行くだけで簡単に食料・水が手に入る合理、そこに行けば緊急時必要な何かしらの物資があると分かっている合理が、実際役に立ち安心に一役買ったりします。しかし、そのようにコンビニには社会に貢献している側面がありながら、時に『専門職でない』『軽作業労働』『低賃金雇用』などで悪く言われることもあります。それでもコンビニは全国に5万あると言われております。5万という数字から察すれば、災害時でなくともコンビニは多くの人々の需要を満たすのに貢献していることになるハズ。トドの詰まり、コンビニは『利用したいが悪くも言ってやりたい』という卑しい人間のワガママをも許し存在しているということになり、それがコンビニ最大の合理なのかも知れない。そしてその合理を最前線で提供しているのがコンビニ店員なんでしょう。

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【ラジオ出演】
因みにラジオ癖のある方は、村田沙耶香さんがゲスト出演した、2015年12月18日放送の『朝井リョウ加藤千恵オールナイトニッポンZERO』を聞いてみるといいかもしれません(合法的にね!)。オールナイトニッポンということで、文学話題が過ぎない村田沙耶香さんの、おそらく素に近い状態でのトークを聞くことができます。芥川賞受賞前ということで貴重な音源に当たるのではないかと思います。もちろん『コンビニ人間』がいつ執筆されたかはわかりませんが『コンビニ人間』の初出しが2016年06月らしく、ラジオ出演時に近いので、ラジオの音源を聞けば、作品を読み解く何かしらのヒントを探すことができるかも?またラジオでは加藤さんと朝井さんが、普段の村田さんのことを指して『クレイジー沙耶香』と呼んで畏れているのが印象的でした。

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

【了】


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