寅治郎トライのブログ

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佐藤多佳子「明るい夜に出かけて」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

元気一杯ッ!寅治郎ちゃんッ!

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【明るい夜に出かけて】
こちらは作家・佐藤多佳子さんによる小説です。小説内では、深夜ラジオが設定の一つになっていて『アルコ&ピースオールナイトニッポン』を中心に、近年の深夜ラジオ界隈、お笑いラジオ情勢がキチンと丁寧に踏まえられた上で物語が進んでいきます。またリア充とは言えない現実に煩悶する若者達の物語でもあるので、深夜ラジオ族はもちろん、今何かを抱えている人の心に届く作品ではないかと思います。私は深夜ラジオ好きで、一度だけですが『アルピーのANNZ』で投稿が読まれたことがあったので、すぐに親近感を持って読むことができました。

【現代の深夜ラジオ】
世の中をちょいと眺めて見ると、人間というものは社会を生きていくに、金に恵まれるか、友情や愛情などの人間関係に恵まれるかしないと、相当な危機に直面したりします。恥ずかしながら個人史を語れば実は私も、金もなく人間関係も上手くない、そのような感じで深夜ラジオに入門した人間です。そんな私は何年もの間、深夜ラジオに励まされ、助けられ、笑いをもらい、生きてきました。なので私は『金が無く、愛情も友情も上手くいかないのならば、深夜ラジオが人間の第三の道になる』などと思ったりしています。エロ・グロ・ナンセンス・バカなのに人々に癒しを与える、現代の深夜ラジオはそういう役目を担っていると思います。そういう着眼点で読むと、より小説に共鳴できるんではないでしょうか。
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【明るい夜を求めて 】
radikoのタイムフリー、エリアフリー、YouTubeへのアップロード(非合法)、ツイッターによる実況、5チャンネルなどの掲示板での三行批評、個人ブログでのラジオ語りなど。近年、深夜ラジオの周辺には、副次的に補完になるような装置が多く発生するようになりました。また近年のコンビニも、支払、ネット事の代行、軽行政書類、イートイン、淹れたてドリップコーヒー、多様なファストフード、プライベートブランドによる食品の洗練、などで以前よりも増しての多機能化は目まぐるしいものがあります。

つまりそれまで、ジャンルとして初期の原始的な状態でも『明るい夜』として機能していたラジオやコンビニは、デジタルツールの発達や多機能化によって、より広く、より深く変化しているんだと思います。これらのより広く深くが求められたという事実は、裏を返せば「人間は普遍的に『明るい夜』を求める」という証左になるのかもしれません。人間は『明るい夜』による一瞬の憩いや軽い利便を捨てることはできないんだと思います。

【くりぃむ上田】
作品中『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』の記述が多数あるためか、上田晋也さん自身が、この小説のことを2016年12月06日放送のオールナイトニッポンで話題にしておられました。現代のメディア王と目される上田さんにもこの小説の情報が入っていたようです。 そしてメディア王自らが己の冠ラジオで『ドッカーン!と』取り上げるというメディアミックス!恐怖で奮えました。まあ『恋する気持ち、何より素敵な宝物』って広瀬香美も歌ってるからねぇ!

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

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【了】


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