寅治郎トライのブログ

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「ジャン・ジュネ全集」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

まよ!今日の読書感想文はこれだよ!
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ジャン・ジュネ全集」

誰しもが若かりし頃、それなりに現実に打ちのめされて、世の中いやになりますわな。私も例外ではなく「世の中ってあんだよコノヤロー」気分の時代に良く読書しておりました。その時、絶望系作家、厭世系作家、ビート系パンク作家などを広浅く色々読んでみたのですが、私の場合一番ピンと来たのがジャン・ジュネだったのです。「泥棒日記」に始まり「葬儀」「ブレストの乱暴者」を読み、ついには全集を買ってしまったのです。

ドストエフスキーアーネスト・ヘミングウェイウィリアム・バロウズセリーヌアンドレ・ジイド、メアリー・シェリー、アラン・シリトーサリンジャージャック・ケルアックチャールズ・ブコウスキー、などを読んでみたのですが、テーマ的にも文体的にも、嵌まるモノを感じたのがジャン・ジュネでした。

とはいえジャン・ジュネを読み始めた頃は、ジュネ的なモノ言いが慣れず、頭と体が馴染むのに多少時間がかかったのですが、慣れてからは普通の現代作家の言語感覚とは全く違った感じがやたらカッコ良くて、フレーズのパンチ力と芸術点の高さに圧倒されました。よく「本当に同じ人間の頭から出た文章なのか!?」と思ったものです。

因みに、村上龍氏や中上健次氏はジャン・ジュネを高校生で読んでいたらしいです。高校生の私は今より人間的にパーだったので、とても読めなかったでしょうなぁ。私が読んだのは二十歳過ぎた頃でしたかねぇ。

ジャン・ジュネの長編には別に大したストーリーなどありません。とんでもない紆余曲折や暴露性や糾弾など無く、ただ瞬間的な言葉のアート性が高い、連続性は無いけど、どのページ見てもキラキラ光る言葉使いが散見する。私はそのように捉えています。恐らくジャン・ジュネの言葉の感覚や、モノの見方は詩的なんだろうなぁ。詩的に沸点の高い言葉を、散文調に角を落とした感じ。原石が詩なので、ギラっとした質感は残りますよね。

あと、エロスの向き合い方が、今風の作家よりはだいぶ丁寧な気がします。ジュネ自身社会的にマイノリティ側の人だったようですから、日々の社会的抑圧が、エロスの真摯な視点につながったのでしょうか?そういう視点で見れば、ジュネの散文は「人間が抑圧から解放されるための色恋とエロティークの物語」と読むこともできると思います。それくらいエロスはみっちり表現されています。

ジャン・ジュネは詩集も出しています。「ジュネ散文はちょっと難しい」という方は、この辺りを入門的に読んでみてはいかがでしょうか?

ジャン・ジュネ詩集

ジャン・ジュネ詩集

ジャン・ジュネ全集

ジャン・ジュネ全集

「May Jean Genet be with you!」

〈了〉