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音喜多駿「東京都の闇を暴く」読書感想文

どうも、寅治郎トライです。

今日も読書感想文、五千万円分はバックが閉まりませんでした。

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【東京都の闇を暴く】
この本は2016年小池知事が当選した頃のあれこれを書いた本です。著書は小池氏を都知事選当初から支持した当時都議会議員だった音喜多駿氏です。その後、音喜多氏は小池氏と袂を分かちます。本は小池氏と袂を分かつ前のものです。

本の冒頭は、小池氏の前の都知事舛添要一氏の巨額出張費を巡る、知事、議会、マスコミのワチャワチャを描写、解説をしております。さすが非主流派の都議会議員やっている方の視点は鋭く、当時の舛添氏と議会の攻防がとても分かりやすく、各勢力の前後関係も含めて詳細に記されています。そして舛添氏を辞任に至らせたのは、民意と報道だ、と分析します。

更に本は「都議会のドン」の実態の解説へと続きます。単純に「何か悪さしてるんだろ」的な世間の好奇の対象としてではなく、「都議会のドン」の歴代知事との関係、経緯、成り立ち、功罪について語っています。

舛添氏辞任内幕と、都議会のドンに対する記述はとても辛辣です。音喜多氏は、いずれリーダー側になって政治体・行政体を運営したい、という与党志向であること、都議会議員的には非主流派の立場であったことで、鋭利な視点を手にしたと思われます。そんな視点にこの本のクオリティは支えられています。

本を読み考えてたのは、少数派の与党志向の政治家は常にあるの種のジレンマを抱えているんだろうということ。「群れた古い方々の悪しき所はいくらでも上げられるが、自分らが多数にならなければ、何も変えられない。」というジレンマです。

私的には、自民党的でもなく万年野党でもなく、少数で都議会多数派や官僚、マスコミとあれこれやり合っていくのは、志高く見えるのですが、シンドイこともあるんだろうなぁと思います。政策の交渉から下らない嫌がらせまで個人で抱えるのは大変だろうなぁ。

民主主義なので、いい政治、チャレンジングな行政をやっていくには、いずれ知事と議会と都民が同じ方向を向いているような状態が必要になると思います。その状態を作りだせるのか?それとも個人プレーを極めるのか?注目です。

また音喜多氏はSNSなどの個人発信を駆使しています。今風のツールやシステムを使った政策メニュー案なども出していて、改革的な動きを世に訴えるのに新技術を駆使しているようです。翻って、音喜多氏のような若い世代は、新技術を使ってカネをかけず、腕力弱くても、声小さくても政治に関与できるのか?行政やっていけるのか?というテーマを持った世代でもあると思うのです。

舛添氏辞任の攻防、都議会のドンの分析は一読の価値があり、とても勉強になる本でございます。

東京都の闇を暴く (新潮新書)

東京都の闇を暴く (新潮新書)

【了】



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