どうも寅治郎トライです。
今日も読書感想文、解釈変更しちゃうぜ!
【国家の矛盾】
高村正彦氏と三浦瑠麗氏による対談本です。2015年の安保法制の喧騒の舞台裏を明かしつつ、与党政治家のあり得べき姿を落ち着いたトーンで語っているのが印象的な本です。安全保障には、
現実的平和主義/平和のために外交という話し合いはするけど、抑止力(武器)を持つことも否定はしない。
空想的平和主義/こちらが武器を持っているから狙われるのだ!こちらが武器を捨てれば世の中平和になるのだ!
みたいな対立があり、安保法制に関して与党的には現実的平和主義の立場で「近隣国でヤンチャしてるとこもあるし、アメリカも世界の警察辞めるとか言ってるんだから、抑制をそれなりに効かせつつ、攻撃的じゃない防衛路線の集団的自衛権になら、ちょいと踏み込んだ風に解釈変えてもいいですやん?」ってことらしい。
(ひょっとしたら2015年辺りに、表になってないが、何かしらの安全保障の危機的な情報が入ってたのだろうか?だから急いだ?)
また本では、野党にも現実的平和主義の人はいるのに、当時あれだけの騒ぎになったのは、安保法制はそれまでとは違う集団的安全保障に踏み込むので「騒ぎ立てれば倒閣に持っていける!」と思った方がいるからでは?と分析されています。
他に気になる議論を上げます。
○(与党)政治は本来、多少はグレーなもんで、白黒スパッと分け過ぎない方が動き安い。グレーにこそ深みがあるのに、そこが理解されない。
○日米安全保障条約してる方が日本は得をしている。自前型の軍事力持った方が財政的にヤバい。
○中国は、日本に日米安全保障条約をしてもらっている方が、日本に自前型の実力を持たれるよりはいいと思っている。
○日本はアメリカの言いなりというが、それなりに文句も反論もしている。ただそれを表に出すと、他国がそれを利用することがあるので、表に出さないようにしてる。なのでアメリカの言いなりのように見える。
○集団的自衛権にもいろんな立場があって、その中でも安保法制はそれなりに抑制的な内容なのに、その辺があまり報道されずに「軍国主義め!」「開戦前夜だ!」と強烈な言葉でばかり形容される。
高村氏はマスコミ的にキャラが立つタイプではないけれど、外務大臣、防衛大臣など歴任、派閥の長をやってたし、総裁選に出たことあるし、けっこう重鎮なんだなと思いました。この本では重鎮的な落ち着いた政治思想、経験から来る長老的な射程の長い安全保障論、外交論などを楽しむこができます。安全保障や外交の話になるとすぐに「バカヤロー!コノヤロー!ブッ潰してやる!」的になる人がいますが、その路線ではない人にはとてもいい本です。
【了】
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