どうも寅治郎トライです。
この世で一番レモンチー♪
【檸檬】
こちらは作家・梶井基次郎さんの短編小説になります。内容はとても内省的で、更にとても耽美的。主人公と他者のやりとりなどはそう多くは無い『自分度の高い言葉達が行き交う』そんな作品である印象を受けました。初出しが23歳みたいですから、若い時代にしかない想像力と妄想力を頼りに書いたと思われます。なので衝動的で刹那的で儚いフェティシズムで満たされているように思いました。社会派のテイストなどには程遠い、己の美学中心の作品ではないでしょうか。
【梶井基次郎とは】
人間の感性は、若い時と年を重ねてからでは変化するものですが、梶井さんは若くして亡くなっているため、老練の無かった作家だと言えると思います。言うならば梶井基次郎さんの作品には『若さ』しか込められていないことになります。『全作品、若い感性が色濃く出ている』という解釈ができるのではないかと思います。作品は当時の自分の分身でもあります、亡くなったのは病気ですから結果論になりますが、自分の命と引き換えに永遠に残る作品の中で、永遠の若さを手にしたのかもしれません。
【!?】
【檸檬とは】
レモンとは何なんだろうと考えてみます。レモンは香りのある果物。レモンは黄色。レモンは小型の果物。レモンは紡錘形で人の手で掴み安い形をしている果物。果物と言いつつも甘くはない。世の中では甘さを果物に求めるのが常道なのに、レモンは酸っぱい。レモンを目的に食することはないけれど、レモンは掛け合わせによって料理に違った味わいをもたらしてくれる。
- レモンティー
- レモンウォーター
- レモンサワー
- ハチミツのレモン漬け
- 唐揚げにブッかける and more!
などとあれこれ考えてみますと、レモンは若さの象徴なんではないかと思います。決して大柄ではないし、甘くもない。そういう意味では完成されたモノではないけれど、色鮮やかで香りがよくて甘さではなく酸味が心地いい。不完全ながらも不思議としっかりとした存在感を持つ、その存在感は王道というよりはエッヂな感じ。そしてそれが若さであり青春でありレモンなのではないだろうか?
翻って作品の『檸檬』では、終盤に唐突に檸檬を爆弾に見立てる比喩が出てきます。爆弾とはあまりに物騒で過激な感じがしますが、唐突で物騒で過激だったりするのが若さであったりするものですよね。今風の楽しく時を謳歌する若者感という意味ではありませんが『檸檬』は実は青春小説なんではないかと私は思っています。
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