どうも寅治郎トライです。
必殺技は産経新聞でひっ叩いてからの大外刈です。
【YKK秘録】
この本はYKKの一角を担った自民党元幹事長・自民党元副総裁の山崎拓さんの著作です。YKKとは『90年代、山崎拓さんと小泉純一郎氏、加藤紘一氏とが一緒に組んだ自民党内の政治ユニット?』のようなもので、自民党の経成会支配脱却を目指し、世間への『次世代は自分達が政権を取りたいアピール』が主な目的だったとされています。特に加藤紘一氏は 『政界のプリンス』と呼ばれ、頭脳明晰・語学堪能・政策に強く、いずれ総理になるだろうと言われていた人物でした。逆に小泉氏は、人間性や言動がエキセントリックと言われており、総理就任の可能性は低いと思われていました。本書は、要人との会談などをまめに記録していた山崎拓さんの手帳を元に、YKKが頻繁に会を重ね自民党内を活発に動き回っていた時代を振り返ろうとする内容になっています。
【加藤の乱レポ】
総裁選で小渕氏に挑んだことで、小渕氏から加藤氏は冷遇されて、冷遇されていることを加藤氏は不満に思っていた。そこに来て小渕氏が倒れるという予想外のことが起きます。予想外のことが起こると通常、自民党では派閥の領収が会合を開き今後の方針を話すモノなのに、この時は派閥の領収でありながら加藤氏と山崎氏は会合に呼ばれることはなく、加藤氏、山崎氏以外の当時の自民党の実力者5人で、緊急的に森喜朗氏を総理に選びました (5人は小渕氏の反加藤の意を汲んで加藤氏らを呼ばなかった?)。総理志向の強かった加藤氏は『派閥の領収である自分等は除け者にされた。総理になれるチャンスを潰された』と更なる不満を貯め、森政権の倒閣を目指します。それが加藤の乱の全容だそうです。乱に至るにはちゃんと伏流があったというわけです。ちなみに加藤の乱のちょい前くらいから加藤氏は、当時の野党の民主党や自由党と連絡を取っていたそうです。加藤の乱に限りませんがこの本では、与党の人間が政局絡みで野党の人間と接触しているところがたくさん書かれてあります。与野党結託は政治の手法でもあるのです。
【政界の友情】
昨今の政治を見れば『YKK』の当初の目標であった「自民党の経世会支配の打破」は一定の達成を見たように思います。本を読めば、時の一大勢力に挑んだ際の、3人の詳細な言動や微細な雰囲気を感じることができます。特に山崎さんの行動を見ると、倒閣に逸る加藤氏の加藤の乱につきあったり、小泉政権では幹事長として仕えたり、その他の日の当たらない所での助け合い・支え合いも厭わぬかったようで、政界にあっても友情に厚い側面を持っていたことがわかります。なので本書はちょっとした友情談としても読むことができます。
【了】
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