寅治郎トライのラジオブログ

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「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」読書感想文 vol.2

どうも寅治郎トライです。

トマス・ハリスの次作は『電気羊たちの沈黙』です。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
こちらはSF作家のフィリップ・K・ディックの1968年の小説になります。そして言わずもがなでしょうが、映画『ブレードランナー』の原作としても有名な作品です。そして『ブレードランナー』はサイバーパンク映像美の起源みたいな作品です。つまり現在のサイバーパンク的な価値観や美意識はまさにこの小説から始まったということになります。なので近年の映画史、アニメ史などにも影響を与えたも重要な位置にある作品だと思われます。
 ざっくり言うと『未来世界での火星でアンドロイドがプログラム外の行動を起こし人殺をやってそれから逃れるために地球にやって来た、のを地球の人間の賞金稼ぎ刑事が追いかける』そんな物語。
SF作品などでは人間自らが作り出したメカやロボや科学技術に結局人間が翻弄される、なんて作品が多いですが、この小説はもちろんそういう軸はありつつも、アンドロイドと人間の薄くなった境について右往左往する人間心理とアンドロイド心理?が読みどころなんではないかと思います。

【性愛】
人間とアンドロイドの境の薄さを指摘するこの小説の含意の一つに、人間はアンドロイドを愛することはあるのか?という問いかけがあるように思います。個人的には遠い未来になら「ある!」と思います。何故なら今現在でさえ、二次元のアニメキャラクターに過剰な愛情を注ぐ方がいますし(男女問わず)、メカに萌えやフェチを感じている方もいます。芸能人という、生の人間とは違うメディア上の存在に異性として胸がトキめいたりもする。その延長線上を考えればアンドロイドとの色恋はあると思うのです。




 次に性。例を上げればエ●漫画で人としてのちゃんとした意味でのムラムラを発する人ががいるから、エ●漫画の市場は成立している側面があります。エロ漫画はあくまで人工物。人は人工物にも十分にエロスを感じたりしているということになります。つまりはアンドロイドにもエロスを感じることはあり得るハズ。もちろん相当にヒューマノイド度の高いアンドロイドが対象ではありますが、未来的には小説の主人公同様、アンドロイドとのセ●クスはあると思います。

【揺れ動く!】
じぁあかといって、主人公が異性のヒューマノイド型アンドロイドに思いを寄せるから完全に人間がアンドロイドに融和的なワケではないのがこの小説のリアリズムというか人間のリアリズム。主人公は精巧な電気羊を軽蔑的に見ていて、本物の動物を飼うことの方がステータスだと思っているし、本物のヒキガエルだと思っていたものが模造品だったと分かった時には落ち込んだりもします。ある対象に対して愛憎半ばで揺れ動いたりするのが人間だったりするってことなんでしょうかねぇ。

【了】



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