寅治郎トライのラジオブログ

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柔道|組手が光る試合

どうも寅治郎トライです。

No組手、No柔道。

【組手で勝つ試合】
柔道をずーっと見ていると豪快な技とはちょっと違うけれど、柔道の大切な要素である組手がポイントになっていい流れを掴んで対戦相手に勝つ、なんて試合に出会ったりします。その辺を個人的に分析をしています。以下2例。平成20年全日本選手権石井慧vs棟田康幸。令和5年全日本選手権・羽賀龍之介vs小川雄勢。比べるのと何かが見えるかも?


【石井vs棟田】
先に内容を言ってしまえば石井選手が棟田選手に組み勝って指導を重ね、指導が注意まで行きそのまま石井選手が勝利する試合。石井選手左、棟田選手左。序盤石井選手が先手を取って攻める。棟田選手に消極的の教育的指導が入る。ここからが石井選手の組手が発揮されます。石井は引手として肩と脇の中間あたりを持ちます。そしてグッと手や腕に力を入れて棟田選手と距離を取ります。力の入った腕が距離を作り、組んでいるのに棟田選手は攻めきれない。もちろん石井選手も距離を作るのに注力しているので攻めれない。そんな展開が続き、何度か両者に消極的指導が入り、指導が注意になり、結果石井選手の勝利。

【組手分析】
バチバチの打ち合いでは無く、組手が作った勝利。先に言った通り、相四つなどでは引手を肩〜脇の間を取り、腕を突っ張れば相手との距離ができて防御的にふるまえる。しかし自分も攻めれないので、両者指導になり安い。石井選手のした組手は自分も攻めれないけど、相手も攻めきれないいわば防御度の高い組手。石井選手の場合、先に教育的指導(効果)一つ分のリードをしていたので、リードを防御の強い組手で守り切ったということ。戦略的と言えばカッコいいけれど、柔道の攻めの美学からするとなんか負に落ちない感のある試合。この辺を踏まえて次の例を見ていきましょう。




【羽賀vs小川】
羽賀選手左・小川選手左。羽賀選手100㌔・小川100超級。先に言うと羽賀が組手で勝り小川に指導3で反則勝ちをします。この試合で羽賀選手はかつての石井選手が棟田戦でやった風な組手をします。引手に肩から脇の間を持ちます。そして試合内容を見ると、石井選手とは違って、羽賀選手は自ら動いて自ら攻めている印象を受けると思います。実際背中を付ける投げには至りませんでしたが、攻めの多さで圧倒します。棟田戦で石井選手がやった同じ組手なのになぜ?

【組手分析】
小川戦で羽賀選手がやった組手は、石井選手が棟田戦でやった組手を発展させたパターンだと私は解釈しています。石井選手は腕を突っ張て終始防御的に振る舞いましたが、羽賀選手は腕を突っ張ることをせず、あの組み手のまま攻め展開しています。石井選手のようにあの組手のまま腕を突っ張れば完璧な防御状態になりますが、そこまでせずともあの組み方はそれだけで相手の『釣り手封じ』になっているです。組手の『釣り手封じ』の部分だけを活かして攻めを選択した羽賀。実際小川選手は、本来内股などが得意なのでしょうが釣り手を上手く使えてないのか、効果的な技をあまり打てないで時間を浪費した感があります。相手が技を打てない中、羽賀選手が攻めれば指導も増えるというモノ。
 ちなみに羽賀選手は100㌔級で小川選手は100㌔超級。鮮やかな投げではありませんが、自分より重いプロの柔道家を相手にしっかり指導を取り勝ちにつなげた。これはこれで『技術』だし『職人芸』だなあと私は思ってしまうのです。
【了】



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