寅治郎トライのラジオブログ

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柔道|寝技のハイブリッド化について

どうも寅治郎トライです。

馬鹿と寝技は使いよう。

【まったく新しい柔道の寝技の教科書】
こちらは、柔道指導者の矢嵜さんによる技術紹介の著作です。東京オリンピックでは日本柔道史上、最多の金メダルを獲得しました。そしてその要因の一つに必ずあげられるのが、選手達が寝技を効果的に活用していたということ。注目度の高い決勝ではもちろん、決勝まで勝ち上がるのにも、要所要所で寝技が用いれていたと言われています。こちらの本では、選手達がオリンピックでみせてくれた技をメインに解説しつつ、近年、他ジャンルからの刺激を受けてハイブリッド化し、現代風に変化進化している寝技の潮流を踏まえての技術解説書になります。素晴らしい良書なので私自身寝技について再考する機会になりました。以下寝技持論です。

【寝技の攻めはリスクゼロ?】
昔から柔道界では、寝技をやるやらないを最初から決めている選手が多いため、試合中の寝技は攻めと防御がハッキリ分かれてしまいます。そういう経緯もあり、寝技では互いの攻守が目まぐるしく入れ替わる展開は少ないように思います。しかし立ち技は技の攻防が変化し安く、相手の技に気を付けながら技を出すことになります。つまり立ち技の攻めのリスクは寝技より上がるということ。なので実は寝技は攻めとしては結構オイシイのではないでしょうか?




【番狂せを起こし安い寝技?】
立ち技は投げや足技で相手の背中を付けることを目指しますが、相手が上級者の場合、立ち技で相手背中を付けるのは難しい。しかし、なんとか腹ばいで崩すというのはできるかもしれない。それはもちろん立ち技のポイントにはならないけど、腹ばいで崩れた瞬間の状態というのは究極の寝技チャンスでもあるのです。相手が防御動作に入る前に、腕か襟か寝技で有利になる所を持てるような練習があってもいいのかも?やらしいですが、最初から投げるつもりではなく、反則にならない程度の寝技への移行を目的とした投技未遂のようなテクニックに果実があるかも?

【試合の組み立てに寝技を】
もっとやらしいことを考えれば、試合の前半から立ち技での攻撃のラッシュをかけると体力的にしんどいならば、後半に縦続けに攻めれるよう、前半は寝技で攻めてあえて時間を浪費しつつ体力を温存する。あるいは本戦で自分の決めの立ち技を出し過ぎると、自分の立ち技のリズムを読まれるので本戦は寝技中心。そしてゴールデンスコアで立ち技を出し始める。リズムが読まれていないならば立ち技もかかり安いかも。この手の押し引き的な駆け引きにも寝技は使えるのではないでしょうか?


【寝技新時代へ】
こう考えると、寝技は攻めにもなるし、防御にもなるし、駆け引きにもなる。そしてルール改定で抑え込みが20秒で一本にもなりました。また前述の通り近年は他ジャンルからの派生した技を柔道風にアレンジした寝技テクニックも隆盛で、それらも受け入れられている。抑え込みが短時間になり、技数も増えている、それはつまり柔道というゲーム設定的には寝技の価値が上がったことを意味します。そういう状態下でありながら、普段寝技の練習の時間をしっかり取っているのに試合で寝技になったら亀になってひたすら逃げ回るんじゃ、ちょっと寂しい。柔軟に変化している寝技を、柔軟に活用すれば、勝利への道が増えるかもしれません。

【了】



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