寅治郎トライのラジオブログ

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「老人と海」 読書感想文 vol.1

どうも寅治郎トライです。

ウイスキーのブランデー割こそハードボイルド。

老人と海
こちらはアーネスト・ヘミングウェイの小説になります。ヘミングウェイと言えば、ノーベル文学賞受賞、ハードボイルド、ロストジェネレーション、など文学上の派手に見えるなムーブメントの中心にいた人物、そのような方です。『老人と海』でノーベル文学賞を受賞しました。なので多くの人は作品名や『ヘミングウェイ』の名前はどこかで聞いたことがあるんではないかと思います。また他の著作に『日はまた昇る』『武器よさらば』『誰がために鐘は鳴る』などありますが、これらのタイトルは響きがいいのか文言を変えてパロディとして現代でもどこかで聞いたことがあると思います。そういう意味では普遍的文学性言語感覚に到達した作家の一人なのかもしれません。

【ハードボイルド文体】
ヘミングウェイの小説に用いる文体をハードボイルドと言ったりするそうです。ハードボイルドとはウィスキーかブランデー好きなキャラクターがドンパチする小説ではなく、人間の内省描写を少な目にして客観描写中心に描く小説の手法だそうです。『老人と海』では老人が一人で、海や魚ひいては自然と対峙する物語であるため、他の人間とのやり取りで内面が変化していく的な要素が極端に薄いです。実はこのような内容とハードボイルド文体は個人的にはけっこうしっくり来るんではないかと思いました。




【老人問題】
昔から老人はそれより下の世代から疎まれてしまう社会風潮があるように思います。分かってはいるんですが、これはあまりよくないことだと思います。過去には姥捨て山なんて風習のある地域が存在したなんて言うのは象徴的。結局今若い人は、現在老人の若い時代の時間と富と愛情を食って生きてきた側面があるわけですから、いやむしろそれらがないと今現在存在すらしていない。老人の持っている旨味だけを利用だけしてポイ捨て、それを誠実で純粋で感性豊かと言われる若者がやるというのはあってはならない。あまりにも無礼ではないか。なので老人達に感謝することはあっても疎んじるのは違うんじゃないかと思うのです。

【老人と下の世代】
とまあそんな、昨今にも繋がる老人問題としても読み解くことができるのが『老人と海』だったりします。例え年を重ねて、ヘマが続いても主人公サンチャゴは漁師として鍛えた経験、知見、胆力、知恵があるので大物のカジキを仕留めることができる。これは何を意味するかと言えば『丁度いい場所さえ探せていれば、老人は社会的にも個人的にも輝く』ということ。それを担うのは行政の仕事である一面はありつつ、ただひたすら行政にだけ任せていていいのだろうか?何も「仕事のハコを下の世代が個人的に用意しろ」ということではなく、普段の接し方など含めて下の世代が老人の居やすい場所作りをもう少し頑張れば老人の『輝き』の一助になるのではないか。老人のおかげで『輝か』せて貰った老人より下の世代が担うべきことはもうちょっとあるんではないか。

【シン・繋がり】
かつての漁村型共同体や農村型共同体にあった老人との繋がり方はもはや無理ならば、昨今隆盛のデジタルインフラを使うというのはどうだろうか。近年のデジタルインフラはそれまであり得なかったものを繋げてきた、なので孤立する老人もしっかりと社会に繋げることができるのではないか?頭のいい人よ!何か編み出してくれ!

【了】

【notice!】
このページ内ではご年配の方を指すのに『老人』という単語を多様させて貰いました。小説のタイトルで『老人』という言葉使いをしているので、そこに習ってのことです。なのでこのページに限り『老人』という言葉には年長者を腐する意図はありません。どうかご理解お願い申し上げます。



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