寅治郎トライのラジオブログ

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磯部晃人「蘇れ!柔道最強説」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

足掴みの袖釣にアート性を感じます。
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【蘇れ!柔道最強説】
こちらは磯部晃人氏による著作です。柔道ファンである磯部氏が、昨今よく話題になる柔道問題各種を取り上げ、独自の見解を述べる内容になっております。この本の画期的な所は、柔道問題を柔道だけの視点だけで眺めるのではなく、他格闘技、他格闘競技などと比較するなどして理解&解釈している所です。そうして行きつくのは「武道性と競技性とアート性どれを重視すべきか?」「武人ファーストか?競技者ファーストか?観覧車ファーストか?」「んじゃそもそも武道性って何だ?」などなど。IJF関係者でも全柔連関係者でもないメディア人である著者だからこそ、柔道思想の保守派に耳が痛い物言いもありつつ、急速な改革派にも頷けない、柔道ファンの心をくすぐる論考が炸裂しまくっております。
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【柔道の疑問】
国際的な柔道問題は、磯部氏が著者で論じていますのでここからは、個人的な柔道の疑問を披露します。

  1. 私が謎なのは片手系の技を『変則』と称し、邪道視する雰囲気があること。ルールでいいと言っているからやっているのにあんま認めたがらない人が多いような気がします。の割には一本背負いだけはやたら市民権を得ている感じ、なんでやねん!
  2. 「基本や型が大事」といい変則的な掴み方をすると怒る師匠方がいますが、何故か奥襟内股や膝付き背負いは肯定している。厳密に言えば奥襟や膝付きも基本や型から逸脱している。奥襟や膝付きは『変則』と解釈せず『工夫』と解釈している謎!
  3. 柔道の先生方はよく「前に出て攻めろ!」「攻めなきゃ勝てない」と教えます。しかしそんな先生方も何故か「寝技は逃げていい」という教え方をする人がいます。「寝技になったら亀や腹ばいなどの極端な防御姿勢を取って、ひたすら恥も外聞もなく逃げ回れぇッ!」というのです。普段、寝技の練習をさせているのにです。何故だ!

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【総括】
結局柔道のゲーム設定としては、どこまで武道性を重視すべきか競技性を重視するのがいいかはわからない。世界選手権があり、五輪競技にまでなって、観客に響くにはどうするべきだ?などと考えている時点で『競技性有りき』、いや『有り有りき』の態度であるということは否定できない。かといって武道性を完全に無視もできないししたくない。明確な線引きは無い、柔道は競技であり、武道である。その時の時代の人々が思考錯誤して、変化を恐れず、伝統を畏れて、時代時代の柔道を作るしか無いんでしょうなぁ。

蘇れ!柔道最強説

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【了】



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