寅治郎トライのラジオブログ

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柔道「古賀稔彦〜世界を獲った男、その生き方〜」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

警告を宣告してきやがった審判に蟹挟みをしてその場から逃走してみたいです。
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古賀稔彦~世界を獲った男、その生き方~】
こちらの本は2021年に急逝された柔道家古賀稔彦さんの著作で、自身の柔道、現役時代までのことを中心に振り返ってあれこれを語っている内容になります。2001年出版の本です。古賀稔彦さんと言ったら、世界選手権覇者にして五輪金メダリスト。特にバルセロナ五輪でのケガを押しての奇跡の優勝は多くの人々の記憶に残り、柔道ファンだけでなく一般の方々にも認知されている所かと思います。また1990年の全日本選手権という体重無差別の日本国内最高峰の試合では並みいる重量級を撃破し、決勝で小川直也選手と対決したことでも有名。とまあ近過去の柔道界において色んな伝説を打ち立てたのが古賀稔彦さんなのです。そんなレジェンドが、試合や試合前後でどのような心理であったのかを本では垣間見ることができます。
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【先進的な思考】
古賀さんは年代的に恐らく、旧時代的な鬼監督がオラついていた時代の空気を知ってる世代かと思われるのですが、指導者に恵まれるなどして、早くから『強制ではなく自主性を重んじ、自由に考え練習する』という今風の思考で以て柔道に取り組んでいたと本では明かされています。そしてそこから発展させて指導論にも言及。また『練習に停滞を感じた時どうするか問題』に関して旧思考的には『それは練習が足りないからだ、もっと練習すべし』となる所を『思い切って柔道から離れてリフレッシュする』思考の元、プールのウォータースライダーに興じキャッキャウフフした、などのエピソードを披露。他バルセロナ五輪時にはケガをしてスタッフ陣が絶望する中一人だけ「これで金メダルが獲れるぞ!」と言ったとか言わないとかの伝説があったり、古賀さんは現役時代からかなり未来的な思考を持っていて実践していた方のようです。それが柔道のためのけん玉トレーニングを生んだのだろうか?
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アトランタ五輪
個人的にずっと印象に残っている試合があります。それはアトランタ五輪の決勝での試合です。試合は前半、古賀さんが大幅にリードしていましたが後半、対戦相手のジャメル・ブーラ(表記によってはブラ)選手の猛追で負けてしまうというもの。私の心に突き刺さったのは『順調に試合が進んでいても土壇場で逆転されてしまうという勝負の厳しさ』ではなく、試合で勝った後のブラ選手の喜び方です。負けて呆然とする古賀選手の超至近距離で寝転がって「イェ~イ」みてーなポーズを取っていたのです。当時は、五輪の決勝で勝ったとはいえ「なんだコイツは?」と思ったものです。近年の比喩で言えば『温厚な上司の怒らせ方』!?しかし何故かそのポーズが面白に思えてきて、しばらく私の友達界隈で、些細なことでそのポーズを取るなどしてフザケまくりました。とてもいい思い出です。負けてなお、誰かに面白を提供してくれた古賀選手、その偉大さに感謝しご冥福をお祈りいたします。
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【了】



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