寅治郎トライのブログ

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小林多喜二「蟹工船」読書感想文

どうも寅治郎トライです。

感想文工船で読書感想文を搾取したいです。
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蟹工船
こちらは作家・小林多喜二さんによる小説です。大正時代・昭和時代の資本家と労働者の問題をテーマにした内容で、プロレタリート文学の最高峰と言われる作品です。初出しは1928年・昭和3年。現代的な感覚では長く『古典的名作』という感じで読み継がれてきましたが、近年派遣労働の実態などが社会問題化したこともあり2008年、時を越えてブームになり映画化もされました。90年前に描写された労働者の抱えていた葛藤と、今現在の労働者の葛藤が重なったという事実は、文学的には幸福なようで社会的には不幸にも思えたりするわけで。一言で言えば、資本家と労働者の対立は旧くて新しい問題なんだと思います。

【資本主義】
国家や人々が資本主義を受け入れなければ、今風のモノやサービスに溢れた世の中にはなっていません。かつての農村型社会の延長にある地方の山村型の地域では、モノやサービスの溢れた都会への人口流出が止まらないといいますから、人々はなんだかんだ言って資本主義社会を肯定した、というのが私の理解です。また、資本主義と人々の関係を考える時、かつて社会主義の大将・副将と思われていたソ連や中国は、今や崩壊したり過当資本主義をやっているというのがとても示唆的です。もはやほとんど資本主義に一撃を喰らわす社会主義はありません。要はどういうトーンの資本主義をやっていくのか?ってのが現代の議題になったのです。
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【金でモラルを破壊】
個人的に印象に残っているのは、船長が本来持っている権限を金融支配によって監督(資本家側)に制限されているシーンです。本来、海や船のスペシャリストである船長。その船長のマナーやモラルや判断に金を使うことで監督が介入する、金が有り得べき船上のマナーやモラルなどを破壊できるということ。そしてのツケは往々にして立場の弱い人が負わされること。こういう問題意識は、90年前から変わらず存在すると思い、不思議な感慨を得たりしました。

【以外にエンタメ!?】
実は前評判などからてっきり最後は『労働者が団結して悪しき資本家をオリャーしてジャンジャン!』な小説なのかななんて思っていたのですが、駆逐艦と監督が繋がっていたラストにある種のどんでん返しを感じてしまい、読後感がザワついてしまいました。実は私は、普段エンタメ的な小説を読まないのでこの予想外の展開にキュンとしてしまいました。これがエンタメか!なぬで『蟹工船』はエンタメとしての読みもできる!かも。

蟹工船・党生活者 (角川文庫)

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【了】


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